頸椎後方固定術用VR訓練シミュレータの開発と評価
頸椎後方固定術は,脊椎の固定や変形の矯正のために,脊椎の一部である椎骨内の椎弓根に,スクリューを刺入し固定する手術である.しかし,椎弓根は細く,その周囲には動脈や脊髄など神経が多く存在しているため,術手術中に損傷しないようにスクリューの刺入には注意を必要とする.
本研究では,バーチャルリアリティ(VR)を活用し,ヘッドマウントディスプレイ(HMD)による奥行きのある視覚情報や力触覚装置により骨の感触を提示する.本番の手術に近い環境を構築し,研修医がスクリュー刺入作業やスクリュー刺入経路の計画作業を繰り返し訓練可能なシミュレータの開発を目指している.
技能継承のための力加減を伝達する視覚提示手法の考案と評価
人口の少子高齢化が進む中、中小製造業においては、人材の確保は年々難しくなっており,中小製造業において技能を持つ人材の確保が課題となっている.長年にわたって蓄積してきた技能は中小製造業の強みであり,技能人材の不足は中小製造業の存続を危うくしかねない.このような問題の解決策として、VR空間を用いて,保存された熟練の技術を模倣し,訓練することで,効率的な技能の習得を目指す学習法が考案されている.
本研究は技能継承において観察しがたい「力加減」に着目し,ハプティックデバイスを利用して,効率よくVR 環境上で視覚と触覚のフィードバックを活用した力加減の模倣が容易的かつ効率的に学習可能な訓練用VRシミュレータを開発する.
はんだ付け作業の訓練の様子